6,世界の麺類は醤(ひしお)文化の兄弟麦を製粉して麺を作る技術は中国から日本にきましたが、さらには、シルクロードの彼方ヨーロッパへもゆき「パスタ」となりました。アジア諸国にもそれぞれの麺があり、韓国の「冷麺」、タイ、マレーシアの「舟ソバ」などがあり、今日では日本人にもなじみ深く、これらは、それぞれ全く別の文化圏の中にあり、全く別の味覚をしていますが、少し「科学の目」で観ると意外なことがわかります。 スパゲティーやピザを食べるときにタバスコをかけますね。このタバスコはブラジル特産で、その製法はトウガラシを塩漬けして発酵させ、酢と一緒にすりつぶして濾したもので、これは「草醤」の一種なのです。タバスコの辛さの主成分の「カプサイシン」を除くと日本の「薄口醤油」とうま味成分がよく似ています。また「ニョクマム」や「ナンプラー」などは、エビや小魚を原料とした「魚醤」で穀類や豆類を原料とする「ジャン(=醤)」は日本の味噌の仲間です。世界各地の麺類は、皆、醤によって食べられ、それぞれの国の気候風土によって異なった味覚の文化を進めてきました。 この醤の味の頂点が日本で完成された醤油ではないでしょうか。今、まさに世界中がこの醤油を用いた料理に舌鼓を打っているのも周知のとおりです。 桐生の”うどん”が最高に美味と評価されている要因のひとつは、普段何気なく使っている濃口醤油に秘められた究極の味のようです。 |
||