4,日本一うまい「うどん粉」の特産地群馬

4,日本一うまい「うどん粉」の特産地群馬

新品種「群馬W2号」

  北海道以外では、九州北関東に産地が集約され、以前はあちこちにあった特徴ある品種のものはほとんどなくなり、現存は農林61号が主要品種ですが、九州ではシロガネコムギやニシカゼコムギが増えています。地域によってタンパク量がかなり違い、北関東産の平均は10%台で九州産は9%台になる年が多いようですが、ばらつきが大きいといいます。タンパク質も地域によって差があり、九州産は軟質的なものが多く、北関東産は軟質と中間質の間です。北関東では群馬産が評価が高く、埼玉がこれに次ぎ、栃木および茨城産はばらつきが大きく、やや劣っています。

  日本一うまい”うどん粉”の特産地”群馬県”が、今、更に優れた味覚と生産性の良い新品種「群馬W2号(仮称)」(=食味の良いカントウ107号x病害に強いバンドウワセの交配種)の開発に成功し、その小麦による「うどんの試験製造」が開始されると報道されました。その評価が楽しみでが、この開発のかげには群馬県農業試験場の改良技術の優秀性と、さらに製粉の特殊な技術の高さがあったことを忘れてはなりません。

製粉試験成績(日本穀物検定協会)(平成6〜8年平均)
品種名 製粉試験% 60%粉
製粉歩留
ミリング
スコア
BM率
水分
灰分%
蛋白質
アミロ値BU
アミロース含量%
群馬W2号 68.5 79.5 66.8 11.7 0.38 8.7 1218 20.1
バンドウワセ 69.5 82.3 78.7 12.2 0.35 8.3 810 25.2
農林61号 67.7 79.5 87.9 12.0 0.36 8.2 783 25.1

官能検査(群馬県農業試験場)(平成6〜8年平均)
品種名 官能検査
外観 硬さ 粘弾性 滑らかさ 食味 合計
群馬W2号 14.8 11.4 7.6 19.6 12.1 11.4 77.0 71.4 -2.2 10.9
バンドウワセ 14.1 10.6 7.3 17.7 10.5 10.6 70.8 71.1 -2.4 12.4
ASW 16.3 11.6 7.9 19.4 11.9 11.2 78.2 72.5 -2.9 12.4
農林61号 14.0 10.5 7.0 17.5 10.5 10.5 70.0 71.1 -2.4 12.3

うまい「うどん粉」を育てた群馬の気候・風土

上州名物は古くから、「雷」からっ風それに「うまいうどん」と言い伝えられてきました。この三つの名物は、お互いに深く関わり合っています。  私たちが生活している上州桐生周辺は、太古火山の活動によって形成された土地柄です。平地は火山灰土で、その上で私たちは毎日生活しています。  火山地図を見ると、火山フロント(前線)が、北方領土から北海道・東北地方中部を南下して群馬を通って長野県までほぼ一列に並んでいます。群馬はその火山フロントの上にあります。

 この火山によって形成された山々の位置が起因して雷雨が発生します。群馬特有の山地の地形が上昇気流を生み雷を誕生させます。特に夏の典型的な熱雷はこの地形的な要因による発雷の結果だといわれています。県中央部には、新治村山地から発し、榛名山赤城山の間を抜けて、前橋伊勢崎本庄方面に雷雲を流すライン。県西部には、長野原中之条から榛名西麓を抜けて、高崎から藤岡に出るライン。このラインは安中富岡甘楽方面からの「分流」が合流します。もうひとつは、県東部の栃木県境、足尾山系を源に勢多郡東村から大間々桐生太田と流れます。これら三つの雷ラインは全国有数の雷銀座で日本一と思われます。

 また日本一を自称する「からっ風」も地形の影響が大きく、シベリア生まれの冬の寒気団から溢れ出し乾燥した季節風は、日本海で水蒸気を吸収し日本に上陸後、日本海側の山々にぶつかって大雪を降らせて再び乾燥します。谷川山系でしっかりと日本海側と隔てられながらも、山を越えた風は利根川の谷に沿って一気に吹き出してきます。

 榛名山赤城山に挟まれた渋川から前橋までの地形は、ちょうどラッパの吹き出し口の役割を果たし、両山の広い裾野はからっ風の滑り台となります。

  さらに碓氷峠妙義山系を越えてくる西風も高崎で平野部に出ます。風は合流して勢いを増し、前橋から東毛一帯は最も強いからっ風銀座」になります。

 この日本一を自認する「雷雨」からっ風の二つの流れ道の平地部は、これまた日本一うまい「うどん」を作る小麦の生産地域と合致します。   火山活動の遺産は、ミネラルに富んだ土地を作り、風は有機物を運び雷雨は植物を育てます。

うまい「うどん粉」を育てた群馬の気候・風土

上州名物は古くから、「雷」からっ風それに「うまいうどん」と言い伝えられてきました。この三つの名物は、お互いに深く関わり合っています。  私たちが生活している上州桐生周辺は、太古火山の活動によって形成された土地柄です。平地は火山灰土で、その上で私たちは毎日生活しています。  火山地図を見ると、火山フロント(前線)が、北方領土から北海道・東北地方中部を南下して群馬を通って長野県までほぼ一列に並んでいます。群馬はその火山フロントの上にあります。

 この火山によって形成された山々の位置が起因して雷雨が発生します。群馬特有の山地の地形が上昇気流を生み雷を誕生させます。特に夏の典型的な熱雷はこの地形的な要因による発雷の結果だといわれています。県中央部には、新治村山地から発し、榛名山赤城山の間を抜けて、前橋伊勢崎本庄方面に雷雲を流すライン。県西部には、長野原中之条から榛名西麓を抜けて、高崎から藤岡に出るライン。このラインは安中富岡甘楽方面からの「分流」が合流します。もうひとつは、県東部の栃木県境、足尾山系を源に勢多郡東村から大間々桐生太田と流れます。これら三つの雷ラインは全国有数の雷銀座で日本一と思われます。

 また日本一を自称する「からっ風」も地形の影響が大きく、シベリア生まれの冬の寒気団から溢れ出し乾燥した季節風は、日本海で水蒸気を吸収し日本に上陸後、日本海側の山々にぶつかって大雪を降らせて再び乾燥します。谷川山系でしっかりと日本海側と隔てられながらも、山を越えた風は利根川の谷に沿って一気に吹き出してきます。

 榛名山赤城山に挟まれた渋川から前橋までの地形は、ちょうどラッパの吹き出し口の役割を果たし、両山の広い裾野はからっ風の滑り台となります。

  さらに碓氷峠妙義山系を越えてくる西風も高崎で平野部に出ます。風は合流して勢いを増し、前橋から東毛一帯は最も強いからっ風銀座」になります。

 この日本一を自認する「雷雨」からっ風の二つの流れ道の平地部は、これまた日本一うまい「うどん」を作る小麦の生産地域と合致します。   火山活動の遺産は、ミネラルに富んだ土地を作り、風は有機物を運び雷雨は植物を育てます。