ゼンマイ Osmunda japonica

ゼンマイ科 ゼンマイ属

山菜の中では、古くから横綱格にあつかわれ親しまれてきたゼンマイは、北海道から九州までのやや湿った野原、沢淵の岩場、山麓の特に杉や桧などの木陰などに群生します。

根茎から小さな輪を作り、早起きの胞子茎が先にのび出ると、葉柄達が一斉に「もう春なのか!」と、小さくくるくる丸めたからだに綿をまとい、寒そうにそろりと首を出す。暖かい春風が柔らかくなでると、数日で大きく葉を広げてしまう気性の強い元気な多年草です。

時計や子供達のおもちゃなどに使われるゼンマイ発条など、よくぞその名を利用したものと感心致します。

* 料理と性質 *

「気性の強いものほどとかく手がかかり、用い方によって立派なものになる」とのたとえどうり、独特の歯切れと風味は貴ばれております。

  1. アク抜きのコツ
    • ワラビのアク抜きと同じように、木灰を十分振りかけ熱湯を注ぎ、一日くらい放置しておくとよい。重曹を用いるのもよい。
  2. 乾燥品のもどし方
    • 水から火にかけ、弱火で十分時間をかけながら80度くらいに熱くなったところで一度湯を捨て、再度水から繰り返す。二度目に熱くなったらおろしてそのまま放置、ふっくらとさせると素晴らしい風味がととのいます。

ゼンマイ料理は油を十分用いて味強く煮しめることがコツです。

  • ゼンマイと身欠きニシンのみそ煮
    • ゼンマイをゴマ油で先にいりつけて、寸切りニシン、みそ、しょうゆ少々、砂糖少々を入れ、ダシ汁もしくは、水をたっぷりにしてゆっくりと煮しめる。
  • 油揚げとの煮しめ