ヒナタノイノコズチ Achyranthes fauriei(ヒユ科 イノコズチ属)多年草 花期:8-9 本州以南の原野や人里近くの空き地などに好んで生え、普通に見られる多年草です。同じ種類に山地の木陰や林の中などに生えるイノコズチ(A. japonica
NARI)やヤナギイノコズチ(A. lungifolia MAKINO)があります。 7〜8月頃に茎頂や枝先に穂状に緑色の小さな花を開き、開花後、花の下にあった3つの包の2つが花の上方から外側に出てきます。この突き出た先はトゲのようになっていて、果実が熟すると、衣服や動物の毛などによく付着して種子の伝播を助けます。 植物は人間生命の真の母体といわれ、人間の生命は植物に依存されています。植物以上に必要不可欠なものはありません。 このようにして育成したヒナタノイノコズチを見ましょう。植物は動物や人間と異なり自分自身で行動する足がありません。そこで知能を発揮して、動物や人間の足で引越しをしてもらうのです。この引越しは内緒で無料でしてもらうため、必要なものを最小の一身上にまとめ、そして内緒ですので引越し屋に手伝いをしてもらえないので、ゥ分で引越し屋に渡す工夫をするのです。一身上を種子という形にまとめて入れて、包を工夫し、動物の毛や人間の衣服などに付着させて遠方に移動するのです。また、この引越し屋がどこを通過するのかを調査済みなのか、人里近くの日当りのよい路ばたなどに新居(成育地)を置くように計画されています。もしこの計画が失敗した場合は命(難 が断たれてしまうので、計画は非常uヌ密に組み立てられています。引越し屋に渡す種子の一粒には過汲ゥら現在までの生活の総ての情報が、そして未来で起きるであろう異変に対しての処置法まで納められ、受渡しに成功し、地上に落下した種子は親の全知全能を再生します。 普段、私たちが生活する中で路ばたに目にする植物を無知無能に見てしまいますが、理解を新たに今一度見てみましょう。 茎が太く節状になっているところを猪(豚)の膝頭に見立て、日向に生じることから”日向の猪槌”と和名され、生薬名は漢名の字音で、牛の膝に似ていることに由来し、”牛膝(剤実)”といいます。
このヒナタノイノコズチは、薬用として徳島、長野の両県から野生品が、奈良県からは栽培品が出荷されているといいます。 |
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